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小千谷紬の堀澤達二さん

郡上紬の購入に失敗し、返品した後
三代目清次さんの紬を購入した事を先日書きましたが、
清次さんの着物は越後紬の中に分類されているらしいことを知り
越後って良い紬があるんだなぁ、と
新しい発見をしたような気持になりました。

今まで自分が興味を持ったのは
大島紬や結城などのブランド紬です。
それから郡上紬に伊那紬、久米島紬に花織等の南の島の織物。
牛首紬もいいなあと思ったり。
勿論全て持っているわけではありません。

何故か、今まで越後の紬に興味を持ったことはなかったのです。
特に小千谷紬はリサイクルでよく見かけていて
「安っぽい」印象が強くあり全然興味ナシ、でした。

でも!!
考えてみれば小千谷って着物の一大産地です。
随分前に買った片貝木綿も小千谷縮もそう言えば小千谷。

真綿を使った紬も沢山あるんですよね。
探したらオークションに山ほど出ていて、ちょっとびっくり。
よりどりみどりです。
「真綿で手織りした紬」ってすごく素敵だと知ってはいましたが
真綿と言えば結城、そして郡上、
それに長野の紬も真綿かな?と言うくらいしか知らなくて
何故か小千谷は出てこなかったのです。
バカでした。

でも、やっと、ついに小千谷紬の素晴らしさに気がつきました。
小千谷の紬は本当にいろいろとあって
ピンキリみたい。
本当に良いものにはなかなか巡り会えないかも・・・、とも思います。
良いものはかなりの技術を駆使して作られています。
目指すは手織り真綿使いの小千谷です。

そして見つけたのがこの反物。
小千谷

作者は堀澤達二さんと言う人です。
糸は手紡ぎの真綿糸を100%使っています。

少し前に素敵な紬を買ったばかりだというのに
それでも、この紬を見て是非手に入れたいと思ったのは何故か?
それは絣が素晴らしかったからです。
この絣を見て私は大島の都喜エ門をちらっと思い出しました。
でも、こちらは真綿糸を経糸緯糸に100%使っているのです。
真綿糸で絣模様を表現するのは
伸び縮みがあるので凄く大変なんだそうですが
これはそんな条件をものともせずに
とにかく、ものすごく細かい模様になっています。

小千谷の紬は「緯総絣」だと思っていましたが
この紬は経糸も微妙に色が入っているようです。
そのため、まるで絵を書いたように見えます。
なんと言っても堀澤さんは
重要無形文化財に指定される程の技術を持っている人。
絵絣を作ることがこの人の得意技なのだとか。
私は真綿糸を使った、こんな細かな絵絣は
今まで見たことが無かったのです。
柔らかい絵絣です。

多分、自分が今までに見た真綿紬の絣の中では
最も複雑な模様だと思います。
昔はこう言ったものは当たり前にあったのでしょうか。
この絣あわせや糸を染める作業には
どれだけ手がかかることでしょう・・・。

画像ではちょっとわかりづらいのですが
多分7色の色が使われていて
それは恐らく全て先染めだと思われます。

そして、この手のかかった織物がヤフオクで
誰にもふり向かれずに
新品の状態で
おそらく本来の10分の1以下?と言う金額で売られていたのです。
どうしてこの着物を誰も欲しがらなかったのか?
正直疑問ですが、多分画像が汚かったからだと思います。
しかも商品説明がろくにない。
真綿糸を使っていることすら書いていない。

これを誰も欲しがらないってことは
情報があふれている今の時代であっても
このタイプの着物はあまり知られていないのかな、とも思います。
それに流行しているとは思えませんよね。
でも好きな人は絶対いるはずです。

今はシンプルな着物が流行っているように思えます。
結城でも、複雑な柄のものは本当に少ない。
複雑な模様は作るのに手間がかかる分、値段も高くなる。
都喜エ門の着物も、風景画のようなものがありますが
滅多に着ている人はいない。

売れなければ、職人さんは当然作らないでしょう。
だってものすごく大変な作業でしょうから・・・。
こうして素晴らしい技術って消えていくんですね。

でも、私はこう言うのが大好き。
だから手に入るうちに絶対買わないと!
実はもう一枚堀澤さんの紬が売られていて
そっちも随分悩んで、買ってしまいました。

小千谷お気に入り

凄いでしょう?
これ全部絣で表現されてるんですよ。

でも・・・、贅沢しちゃいました・・・。反省。
もう、しばらく着物も帯も買いません。(多分)
でもね、実は先日返品した激安郡上紬一枚分の値段で
この小千谷2枚と三代目清次さんの紬を全部買う事が出来ました。
そんな訳で、郡上はしばらく我慢することにします。

この小千谷紬を50倍のルーペで観察します。
去年買った重要文化財100亀甲の結城紬と比較してみました。
結城紬の方が裂の目は詰まっています。
この点は結城の方が上だなと感じました。
さすが地機です。
結城って織りの技術も、糸を紡ぐ技術も本当にすごい。
目が詰まっているのに裂が軽くふんわりと柔らかい。
それだけ糸が細く紡がれているんだと思います。
自分が持っているのは100亀甲結城ですが
160亀甲のものなんて、一体どれだけの技術が必要なんだろうか。
でも絣合わせの技術は
この小千谷のほうが結城よりも
すごいというか、苦労していると思えます。


手触りは結城とちょっと似ています。
どっちも真綿紬だからなのでしょう。
糊をしっかり落として着込んだ結城ってこんなかんじになるのかな?と言う感じです。
私の持っている結城は紙のようにパサッとした感じがあり
それでもやはり柔らかいのです。
小千谷はパサッと感はあまりなく(でも少しあります)
くたっと柔らかく体に沿うような感じが強いのです。
糸の細さも100亀甲の結城とほぼ同じですが
小千谷のほうが糸に細い部分と太い部分があって
若干凹凸があります。
裂の厚みはほぼ同じ感じ。
風合いは結城に負けていません。
この点はちょっと驚きでした。
だって購入価格は小千谷が全然安い。
5分の1以下です。(あくまでも自分の購入価格での比較です)

結城と小千谷、どっちが好きかというと
自分の2人の子供に「どっちが好き?」と聞かれるときのように難しい。
カジュアルに着たいのならば小千谷
上品に着たいのならば結城という感じがします。
結城には結城の素晴らしさがありますが
この堀澤さんの着物も他にはない凄さがあります。
この辺は何年か着てみないとわからないですね。

拡大するとこんな感じです。

小千谷2
小千谷船拡大



一見染めに見える柄が全部絣です。
本当にすごい・・・。

早速渡文の帯を合わせてみました。
この帯はどっちの反物にも合いそう。

小千谷3

私はシンプルな着物も好きなのですが
自分好みの柄が「ガラガラ」入っている着物を見ると
絶対欲しくなります。
自分も絵を描くので、苦労してこの模様を考えたんだろうなあ、と思うと
無条件に着てみたくなります。
元々私はそんなに着物が似合う体型ではないので
面白いものや綺麗な柄で体形をごまかしたいというのもあります。
「変わった着物ですね」と言われると嬉しいのです。

大好きな着物の柄の中には
例えば更紗模様があります。
そしてオークションなどで、大好きな2代目更甚の良い柄の着物を見つけると
可能な限り買ってきました。
最近収納場所に困ることもあって
あまり着物を買わなくなりましたが
それでも今年買った着物の中には勿論更甚が入っています。
そう言えば年に一枚は見つけて買っているのが更甚です。
だって更甚の着物もそろそろ手に入らなくなるって思うから。
更甚さんはもう着物は作っていないようですし、
あれだけ手のかかった着物を作れる人は
どんどん少なくなるでしょう。

今、流行っていないタイプの手の込んだ柄物は
とても安く手に入れることが出来ます。
簡単に手に入るのは嬉しいことなのですが
多分先々こう言った着物は絶滅するであろう事を考えると
悲しくもなるのでした・・・。

今回買ったこの着物、大切に大切に着ようと思っています。
堀澤達二さん、素敵な着物を作ってくれてありがとうございます。
出来れば孫子の代まで着ていきたいです。








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プロフィール

きもとももこ

Author:きもとももこ
自然の多い西東京で
絵本を作りながら暮らしています。

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