子犬のキュウキュウ

Pさんが我が家からいなくなって
4ヶ月が過ぎ
我が家では重要な決定がなされました。

子犬を迎えたのです。

この子の名前は「黒平衛」です。
夫が名付けました。
この犬は夫の犬です。
犬が欲しくてたまらない夫に
私がプレゼントしました。
世話は夫がすることになっています。
私はこの子を「クロ」とか「キュウキュウ」と呼んでいます。
しょっちゅう、キュウキュウ鳴いているからです。


この子との最初の出会いは
とあるブリーダーさんのホームページでした。

そこには真っ黒な顔の
可愛らしいボストンテリアの子犬の写真が掲載されていました。
1月29日生のこの子は
とても良くPさんに似ていて、
勿論、模様は全然違うのだけれど
写真では顔がそっくりだったのです。

そして私は、その写真を見て
この子がすっかり気に入ってしまったのです。
気に入ったのは私だけではありませんでした。
夫も、娘も。
だってPさんにそっくりなんだもの。
でもこのブリーダーさんの所在地は
かなり東京から遠い場所で
行くだけで半日はかかります。
現行の法律では
犬の売買は、買う側が実際に子犬を確認してからでないと
出来ないことになっています。

でもでも、こんなに可愛くて
Pさんにそっくりで
これは運命だわ!
きっとPさんの生まれ変わりに違いない!
Pさんが呼んでいる!
どんなに遠くても、絶対に絶対に行かなくては!
…と思って遥々彼の地へと向かったのでした。

最初は家族で旅行がてら見に行こうかと思いましたが
帰りに長時間
生後2ヶ月の子犬を車に乗せて移動するのは
とても危険なような気がして
一人で夜行バスを乗り継ぎ
迎えにいく事にしました。
そうすれば、向こうに午前中につくから
比較的空いている
昼間の新幹線に乗って帰れると思ったのです。

黒平衛は私以外の人にも人気だったようで
沢山の問い合わせがあったそうです。
何たって真っ黒な顔のボストンです。
珍しい!それに写真が凄く可愛いのです。
この子には3匹の兄弟がいて
その子たちもとっても可愛い。

でも、不幸中の幸い?と言っていいのかどうかわかりませんが
子犬同士のじゃれ合いで
キュウキュウの眼球に傷が入ったと言うことで
販売を中止にしたと連絡が来ました。
この傷は治らない可能性があります、と言うのです。
それを無理やり
「ぜひとも我が家に譲ってください」と
無理を言って譲ってもらえることになりました。

夜行バスに乗って現地に朝の8時半頃到着。

わくわくしながら、ブリーダーさんにご挨拶をし
早速Pさんの生まれ変わりとご対面!!きゃー!

が、しかし!!
あれ?……似てない。
Pさんと全然似てない!
このとき私は愕然としました。

この子はPさんの生まれ変わりじゃない。
だって全然似ていない!
え〜!どうしよう!
わざわざこんなところまで来て
Pさんと全然違う顔の子だったなんて!

この子は、初めて会った私に
ものすごく緊張して
小刻みに震えていました。
そして、ものすごく困った顔をしていました。
「ごめんなさい。Pさんに似ていなくてごめんなさい。
許してください」と言っているかのようでした。

でも、もう家には
この子を待ちわびている子供や夫がいるのです。
まさか連れて帰らないわけには行きません。
それに、「目に怪我をしているから譲れない」と言っているブリーダーさんに
無理を言って「それでもいいから、ぜひ譲ってほしい」と
自分が言って
遥々ここまで来ているのです。
まさかPさんに似ていなかったので
やっぱりやめますとは言えません。

よく見ると、ちょっと情けない風貌が
夫に似ているような気がします。
見ているうちに愛情が湧いて「連れて帰る」ことに決めました。
これはきっと、何かの縁です。
Pさんがきっと「この子がいいよ」と
選んでくれたんだ…。
そう思ってこの子を連れて帰ることにしました。

我が家に来て、黒平衛はそろそろ一ヶ月になります。
情けない風貌で「プルプル・キュウキュウ」していたのに
今では「ガルルルル」と言いながら
おもちゃに食らいついてきます。
体重もどんどん増えて
元気いっぱい。

でも、私はこうしてキュウキュウを飼いながら
Pさんがどうしても忘れられません。
今キュウキュウが居るところにPさんがいたのです。
今も、やっぱりいるような気がします。

Pさんは私達にたくさんの幸せをくれました。
Pさんがいなくなった今
わたしはPさんがくれた幸せの中で生きています。

そして、一番最後にPさんがくれた幸せは
ひょっとしたら
キュウキュウとの出会いだったのかな?と思ったりしています。
なぜこんなに似ていないのに
あの写真ではPさんとそっくりだったんだろう?

キュウキュウは
Pさんのように威張ったりしません。
「キュウキュウ」と
困った顔で泣いて
人の気を引くのを得意としています。
DSC_0081.jpg
この顔で泣くのです。

実際情けない顔の子犬にキュウキュウ泣かれると
可哀想になってすぐに抱っこしてしまいます。
こうしてキュウキュウは
犬のくせに抱きぐせがついてしまいました。

昨日は初めて一人でゲージの中で
3時間半お留守番をしました。
でもちゃんと大人しく待っていてくれました。

Pさんと違って、興奮症ではなく
落ち着いています。
こうして子犬を迎えてみてつくづく思います。

Pさんのように
里子に出された犬の
里親になるのはやっぱり難しいんだなって。
きちんとした知識が無いと
大変なのだと。
今思い出しても、Pさんを飼い始めた頃は
本当に大変で、
いろんなことと「戦っている」ような感じでした。
でも、大変だったからこそ
思いが深くなったのだけれど。

ブリーダーさんから買った犬は
本当に育てやすい。
特に難しいしつけもしていませんが
ちゃんと言うことを聞き
最初から飼い主に服従する姿勢を取っています。

そして多分、落ち着いた性格の
真っ黒なボストン・テリアのキュウキュウは
我が家にピッタリの男の子だったんだろうな、と思っています。






















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プロフィール

きもとももこ

Author:きもとももこ
自然の多い西東京で
絵本を作りながら暮らしています。

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