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犬の右房性三心房心・決断

明日、Pさんは入院します。

今日まで、Pさんの容態は
坂道を転げ落ちるように悪くなってきました。

薬は効かず、腹水も浮腫も酷くなるばかり。
歩くのもやっと数歩。
もう、自分でトイレに行くことも出来ません。
ひどく浮腫んだ足からは体液が漏れだし
紫色に変色し、冷たく湿っています。

12月1日、大学病院の診察を受け
Pさんは非常に稀な病気だということがわかりました。

その名は「右房性三心房心」。
心臓奇形です。
近所の町医者に治せるような病気ではありませんでした。

血液やエコー、レントゲン、心電図など
いろいろな検査を受けました。

本来心臓は二つに分かれているのに
Pの心臓は3つになっているんだそうです。
その3つになっている部分が心臓の弁に当たってしまい
弁が内膜炎を起こし
更にその部分が細菌感染(歯周病が原因らしい)のため、
2センチ程腫上がってしまい
心臓の血をきちんと流すことが出来なくなっている。
これがPの病気の原因でした。
もうすでに心臓の薬も利尿剤も殆ど効かないため
どんどん、どんどん体調は悪化しているのです。

どうしたら治るのか?と言うと外科的手段しか無いのだそうです。
でも、この手術は大変難しいもので
成功率は50パーセントとのことでしたが
私は先生の反応から
成功率は50パーセントも無いのではないかと勘ぐってしまいました。

でも放っておいたらこのまま死んでしまう。
「今年いっぱい持つかどうか…。」
というのが主治医の先生の診断です。

手術内容はこうです。
まず開腹をし
心臓の血流を
血管を縛ることで
ほんの1分か2分止めて
その間に一気に心臓を切り開き
中の弁についている出来物を切り取って心臓を縫合し
元の通りに心臓に血を流すと言う
かなりの技術とスピードを必要とする方法です。

私は、高齢のPさんが手術に耐えられるとは思っていなかったので
この診断を聞いた時
ショックで頭がクラクラし、
気が遠くなりました。

大学病院で、腹水をすっかり抜かれたPさんは
疲れ果てて
帰ってから水以外一切口にしません。
最後にPさんが食べたものは
レバーのおやつでした。
みかんや、市販の犬用ジャーキーも
今までは頑張って食べていました。
でも、何をあげても、今はもう口にはしません。
いかにも美味しそうな牛肉も豚肉も鶏肉も。

今まで薬は
レバーのおやつやチーズの中に押し込んであげていたのに
それが出来ないため
仕方なく薬を水で溶いて
注射器で口の中に入れました。

無理矢理飲ませたら
苦しそうで、なんだか可愛そう。
嫌がってすごく暴れます。
やだな、この薬の飲ませ方…。
でも、こうしないとPさんは死んでしまう。

夫は、今のPさんを見て
そんなに凄い手術に耐えられるような
体力は残っていないだろうと言います。
どうせ死ぬのならば
家で看取ってやりたい、と。

でも私の考えは違いました。
どうせ死んでしまうのならば
少しでも可能性のある治療法を選んで
生きられるのであれば生きて欲しい、と
思ったのです。

例えばこれが悪性の腫瘍ならば手術はしないでしょう。
腫瘍は腹水がたまった時点で
かなり進んでいると聞きました。
それならば、そっとしておいてやったほうが
犬のためにはいいのではないかと思います。

でも今回はその部分だけ取れれば
また元気になれる可能性がある、というのが
先生の診断でした。

手術費用は30万円程度とのことでした。
考えていたよりも安いと思いました。
犬の心臓の手術というと、100万円なんていうのも
聞いたことがあったから。

結局1日悩んで、夫と相談し
手術をする方向で考えることにしました。

でも、Pさんの病状は予断を許さず
どんどんどんどん、悪くなっていきます。

手術は来週の火曜日か水曜日に決まりそうで、
それまで少しでも一緒にいてあげたいと
私は手術の2日前まで一緒に家で過ごす予定を立てました。

が、そんな時間はもう無いようです。

Pさんは今日の夜、水をガボガボと飲んだあと
軽い発作を起こしました。

鼻水をブシュブシュと垂らし、泡をふき
咳き込んで、ドサッと座り込んだのです。
慌てて行きつけの獣医さんに駆け込みました。
今日の朝には溜まっていなかった腹水がまた溜まり始めていて
さらに胸水もたまっていて115ccも抜きました。

酸素をあててもらい、今日は水を飲ませないように、といわれました。
今晩は、薬も飲ませず、そっとしておくことにしました。
点滴をしてもらって
利尿剤の注射をし
血液検査をしたら
腎臓の値がかなり悪化していました。

すでにPさんはもう、犬の匂いがしません。
毛もどちらかと言うと脂症だったのに
パサパサしています。
これは病気で血行が悪くなったからだそうで
何もかもが悪い方向に進んでいるとのことでした。

本当は月曜日に入院するはずが
明日に変更になりました。

明日から集中的に体調管理されて
来週はじめに大丈夫そうであれば手術します。
が、明らかにこのまま手術したら死ぬ、という体調であれば
家に帰ってくることになります。
その場合は家で看取ることになるでしょう。

今夜はPさんと過ごす最後の夜かもしれません。
子供たちはPさんの周りに布団をしいて
寝ています。
最後の夜をせめて一緒に、と。

私もこれが最後になるのかも、と思うと
心がぎゅうっと締め付けられて
ほんとうに悲しいのですが
でもこの子はきっと帰ってくる、
心臓も何もかも良くなって帰ってくるんだと
そう信じて病院に送り出したいのです。

手術は腕の立つ先生が執刀します。
おそらくPさんは
最新の技術を使って
最高の医師の手によって治療をしてもらえるはずです。
だから、大丈夫と思いたいのに…。
心のなかではザワザワと
心配でどうしようもない気持ちが
音を立てて暴れています。

Pさんの体調が落ち着いて
どうか手術が成功し
もう一度一緒に歩けますように。

11月29日に行った
さくら公園でのお散歩が最後になりませんように。
お願いだから元気に帰ってきて、と。

そのことばかり祈っているのです。



















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プロフィール

きもとももこ

Author:きもとももこ
自然の多い西東京で
絵本を作りながら暮らしています。

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