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私のお雛様

2月の良く晴れた寒い日に、両親が我が家を訪れました。

小汚い段ボール箱を持っていて
「これ、良かったらあげるから、お人形遊びに使ってね」と言って
置いていきました。

中から小さな木目込みの雛人形が出てきました。

「ああ、懐かしい。」
これは私の姉の雛人形なのです。

姉が生まれた頃、まだ私の祖父が健在で
初孫だった姉の誕生が嬉しくてたまらなかったのでしょう、
この小さな雛人形のセットを背中に背負って
木本家に持ってきてくれたのだそうです。

この雛人形は高級品ではなさそうですが
子沢山で、決して豊かではなかった母の実家の
精一杯の支度だったのではないかと思います。

母はその気持ちを大切にして
もう随分前に亡くなった祖父の思い出と共に
この雛人形をすごく大切にしていたのではないか、と。

いつだったか、
「この雛人形を私に頂戴」と言ったことがありました。
もうすでに姉は結婚して
嫁ぎ先で、それはそれは立派な京都の雛人形を
子供達のために買ってもらっていました。

なので、いらないと思っていたのです。

すると母はこう言いました。
「これは、私のだからあげない」

なので、今回急に家に持ってきてくれたのが
すごく不思議でした。

しかも、「お人形遊びにでも使って」と言って持ってきたのです。
「大切にして」ではなく。

母もそろそろ80になります。
きっと整理をしているのだな、と思います。
よく見れば古びたお人形。
母と姉と私を見守って来たようなこのお人形達。
もう、役目は果たした、と思ったのでしょう。

もちろん私は母の気持ちを知っていますから
これをお人形遊びに使う気はありません。

が、娘は違っていました。
ちょうどその場に居合わせた娘は
私がちょっと目を離した隙に人形を出して遊び始めました。
私が取り上げると怒り出します。
「咲ちゃんがもらったんだよ!お母さん返して!お母さんずるい!」
そういって泣き始め、激しく私を責めます。

仕方ないので玄関先に飾りました。
今、我が家の玄関は夫の仕事道具でごちゃごちゃしています。

この上に赤い風呂敷を掛け
小さな雛人形を並べました。
雛人形2


実家にあったときはガラスケースに入っていましたが
母がうっかりこのケースを割ってしまったのです。
なので、人形だけしかありません。
私は人形をケースに入れるのはあまり好きじゃないので
この方が良いと思っています。

こうして、ちまちまと並べてみると案外可愛いものです。

昨年買ったお雛様と一緒に並べてみました。


おじいちゃんのお手製もあるので娘には3つの雛人形があることになります。

私には一つもないのに・・・。

44才にもなって、少しひがんだ気持ちが芽生えて
自分でもおかしくなりました。

が、ふと思い出しました。
そうだ、自分で随分前に買った
妙なお雛様があったじゃない!
以前金沢で買ったお雛様で
漆で出来ています。

そうだった、ごめんごめん、お雛様。
早速仕事場に出してあげました。
雛人形3


これで何となくひがんだ気持ちが消えていきました。

私は次女で下に弟がいます。
長女である姉も、末っ子長男である弟も
両親にとても可愛がられ、かまわれて生きていきました。

私は次女ですから、基本的に放って置かれました。
・・と言うか、私は大人しくて手のかからない子だったのです。
もちろん愛されて育ちましたが、3人も子供がいると
親は手が回らなくなるものなのだと思います。

私の実家は豊かではなかったので
姉と私は同じようにおもちゃを買ってもらえることはなく、
姉のを借りるか、お下がりが基本でした。
おかげで「欲しいものは自分で作る」という習慣がつき
器用な大人になっています。
作れないものは自分でいろいろ考えて何とか手に入れるか、
我慢するしかありませんでした。
この習慣のせいで
「欲しいものは自分で手に入れる」事が出来る大人になりました。

そして、自分で衝動買いした
このおもちゃのようなお雛様。
これが私のお雛様なのです。





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プロフィール

きもとももこ

Author:きもとももこ
自然の多い西東京で
絵本を作りながら暮らしています。

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